引っ越したばかりの同期の新居に集まり、鍋を囲んだ。近くのスーパーでそれぞれ2000円を予算に、好きな鍋の具材をチョイスした。
数か月に一度は顔を合わせている仲間。それでも、こうして集まるたびに感じることがある。
変わらない空気感と、確実に変わっていく自分たちの立ち位置のこと。
同じスタートライン、異なる道
集まった室内の空気感は、新卒当時と変わらない。笑いのツボも、ノリも、会話のテンポも出会ったことのまま。けれど、語られる近況は少しずつ、確実に違っている。
結婚したメンバーがいる。役職を得て、多くの部下を率いる立場になったメンバーもいる。それぞれが、それぞれの道を歩んでいる。
新卒で入社した日、自分たちは同じ場所に立っていた。同じ研修を受け、同じ不安を抱き、同じ希望を持っていた。あれから数年。気づけば、自分たちはそれぞれ異なる場所に立っていた。
意識的に、あるいは無意識に
その違いは、誰かが怠けた結果でも、誰かが頑張りすぎた結果でもない。それぞれが思い描く道、求める道があって、意識的であれ無意識的であれ、その思いに従って歩み続けた結果なのだと思う。
会社に骨を埋める覚悟で昇進した人もいれば、なんとなく結婚を決意した人もいる。専門性を深める人もいれば、幅広い経験を求める人もいる。正解なんてない。ただ、それぞれの価値観に従って、それぞれの人生を生きていた。
変わらないもの
それでも、集まれば、あの頃の空気が戻ってくる。
ただ、話す内容は変わった。奥さんの話、仕事の悩み、将来の展望。新卒のころには想像もしなかった話題が並ぶ。同じ「仕事の悩み」という言葉でも、分からないことが分からないあの頃とは違う。チームマネジメントの難しさや、顧客との関係構築について語り合う。
定期的に顔を合わせているからこそ、この変化の連続性が見える。急激な変化ではなく、少しずつ、確実に。まるでグラデーションのように、それぞれの色に染まっていく。
同じスタートラインから、それぞれの選んだ道を歩んだ先に、今がある。立っている場所は違っても、数か月に一度こうして集まれば、また同じ場所に戻れる。そんな関係かがあることに、深く感謝している。


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